血液透析とは腎臓の代わりに人工的な装置(人工腎臓)を使って血液をきれいにする治療法です。治療の原理は拡散とろ過が利用されています。拡散とは、物質は濃度が高い方から低い方に移動する、という現象で、ろ過とは、穴の開いた膜を用いて液体を流して、その穴の大きさ以下のものを濾す、という現象です。これらの原理を利用できるように作られた人工腎臓は、まるで本物の腎臓のように、血液が流れる細い管に小さな穴が開いていて、そこで老廃物を取り除けるようになっているのです。血液透析はこの人工腎臓を用いて、老廃物がたまった血液をきれいにしていく治療方法なのです。
人工腎臓を使うためには、ヒトの体も準備をしなければいけません。まず内シャント造設術という、動脈と静脈をつなぐ手術をします。そうすると、表在の静脈に1分あたり400mlくらいの血液が流れるようになります。この血管に針を2本さし、チューブを用いて、血管から人工腎臓に血液を送れるように、そして人工腎臓から血管に血液が戻れるようにつないで透析治療を行うわけです。
また、より効率的に透析をできるようにするため、様々な形で治療法が進化してきていますが、どの方法でも透析は通常1回4~5時間、週に3回行われます。